2月10日より3月1日「椎名へきる PRECIOUS GARDEN TOUR
'01」
においてヤマハ(株)さんの協力によりフルデジタルコンソールのPM1Dをで使用させていただきました。
その時のレポートを少し書いてみようと思います。
僕がはじめてPM1Dを使用したのは、2000年4月ヤマハ新製品発表会(池袋アムラックスホール)でした。
その時の第一印象は、アナログ卓を見慣れている者にとっては、つまみの少なさと卓についているディスプレーにびっくりしたことを覚えています。
そしてさらに、自分の感覚を変えなければ成らなかったのは、インプットのパッチです。
ステージ上のインプットボックス(AIー8)につながれているマイク類を卓の画面上で好きなところにインプットしていくという作業は、今までなかったことでした。
しかしこれは、慣れてしまえばかなり楽な作業です。というのもステージ上は好きなところにパッチすればいいわけですから、これは照明さんのパッチ作業と同じだと考えればいいわけです。
音の第一印象は、「素直な音」というのが第一印象でした。
「卓に色づけされない音」 今までアナログ卓のようにメーカーの音というのを感じませんでした。
マイクからアンプ、アンプからスピーカーまでの信号が素直に出てくるという感じがしました。
ということは、これからかなりマイクの選定やアンプ、スピーカーについて、今まで以上にシビアにならなければいけないなあと思いました。
PM1Dは、大まかにコントロール部の「CS1D」、アナログインプット部の「AI8」アナログアウトプット部の「AO8」、デジタルIO「DIO8」、DSPユニット「DSP1D」から成り立っています。
詳しくは、ヤマハさんのカタログかホームページを見てください。
今回のシステム構成は、このようにしました。
(図面上のCS1D、卓側のAI8、ステージ側のDS2Pをクリックすると写真が見れます)
赤線は、コントロールケーブル(BNC×2) と オーディオケーブル(D−SUB×1)です。
ステージ上の回線は、通常通りモニターミキサーまでマルチケーブルを使って配線し
その後、ステージ上にある「AI8」にパッチしました。
アウトプットは、卓側に「AO8」をおき、そこからアナログ信号をαシステムのコントローラに接続しアナログ回線でステージ上に信号を送りました。
これは、手元でαシステムのコントローラーを操作したかったのでこういう形にしました。
その他に、「AI8」を一台卓側に置き上記の「A08」と共に使用して、
エフェターのイン・アウトとインサートのイン・アウトに使用しました。
エフェクター:ディレイ「SED−3000」 「SPX−990」
インサート:「VOICEMASTER/FOCUS RITE」
(その他のダイナミックス系とエフェクターは、すべて内蔵のものを使用)
さて、「CS1D」の操作性ですが、これは本当に簡単でした。
「O2R」「O3D」等のデジタル卓を使ったことがあれば、30分もすれば使えるようになると思います。
それらよりも、もっと簡単です。
というのも触りたいチャンネルを選べばそのチャンネル情報は、画面を切り替えることなく
卓のインプット部分にすべての情報が出るわけですから。
これは、上記の卓のようEQ画面、ダイナミックス画面などを別々に出さなくていいということです。
それに、複数のチャンネルの同じ値を変えるときに(例えばEQのポイントやコンプの値等)チャンネルを選んであげれば、わざわざ手を動かさなくても置いたままのところにチャンネルの方からやってきてくれるというのは、これが意外に便利で仕事が簡単に楽に出来ました。
ただこの、「チャンネルを選ぶ」というのが克服しなければならない関門です。
アナログ卓では、卓の名前を見ながらその上にあがっていくのが普通ですから。
最初の頃は、切り替えたつもりでEQを触っていたら違うチャンネルだったとうことが結構ありました。
これも慣れてしまえば、大丈夫でした。
EQやエフェクトセンドのつまみの感覚も今までの色々なアナログ卓の使用感と変わりありませんでした。
ただ、コンプやエフェクターは、好みが出るかもしれません。
これは、それらの機器の特色が必要なときもありますから。
今回、仕込みで気を使ったのがコントロールケーブルです。
あの細いケーブルを客席に引くのは、特に今回のコンサートはお客さんが飛び跳ねるので
客席通路を通すときは、いやな感じでした。
100mあったのでほとんどの会場は、大外廻しで対応できましたが何箇所か通路を引かなければならないところがありました。
アウトプットEQは、内蔵のもを使用しました。
6バンドのフルパラメなので何の問題もなくそれだけで十分でした。
本番中の失敗としてあげられるのが
パッチをストアせずに本番が始まって1曲目のシーンに切り替えたら録音に信号が行かなかったということをしてしまいました。
これは、会場準備に入る前にスタンバイのシーンのときに録音の回線が増えてチェックしOKだったんですがストアするのを忘れたという単純ミスですが、以外にやってしまうことなので気をつけたほうがいいと思います。
その他に失敗ではないのですが、ツアー途中で録音が入りました。
全分岐だとよかったのですが、録音の都合上バンドをグループに分けたアウトを欲しい、本人ワイヤレスだけ分岐したいとのことでした。(後で入れ直すため)
で、いつも通りグループアウトを作り「AO8」に送りヴォーカルマイクだけ分岐したのですが
リハーサルの途中であることに気がつきました。
というものもう分かりでしょうが、卓のアウトには、AD/DA分のディレイがかかってるので
ヴォーカルマイクをそのまま分岐するとバンドとのあいだに遅れが起きるわけです。
これも、単純なミスでした。
今回、ツアーでデジタルコンソールの「音」を満喫させていただきましたが、
前述した「素直さ」に加えて多回線のステージでの「分離のよさ」にも驚きました。
今回、ツアーにライブハウスヴァージョンもあったので「αシステム」以外に「メイヤー」「X−ARRAY」「APOGEE」
のスピーカーも使用できました。(持ち込ませていただいたライブハウスに感謝)
どのスピーカーに対しても共通のことがいえると思いました。
要するに、どのスピーカーもスピーカー自体の音が素直に出てる感じがしました。
それと、「SNの良さ」フェーダーをいくらあげても「シャー」っていわないのは
ちょっとした喜びを感じます。
ツアーでの耐久性も問題なく、これからのSR用コンソールはこんな風になっていくんだと感じました。
もし、また機会があればぜひ使ってみたいなあと思いました。
最後に、宮脇さん、吉田さん他、お世話になったヤマハのスタッフの方々の御協力に感謝します。
2001年3月

| 使用スピーカー |
:NEXO αシステム |
S-2 x2 B1 x 6 M3 x 6 (ONE SIDE) ツアーホールヴァージョン |
| |
:メイヤーシステム |
MSL5 |
東京 |
赤坂ブリッツ |
| |
:エレクトロヴォイス |
X−ARRAY |
大阪 |
BIG CAT |
| |
:アポジー |
AE5 |
名古屋 |
ダイヤモンドホール |
PM1Dのパッチと椎名へきるの回線表 (EXCEL2000)